ナチュラルメディスン;何を食べるべきか

「唯一の正しい方法」はない。
 何を食べるべきか。この単純な問いに単純な答えがない。「正しい食事はこれだ」という人はたくさんいる。しかし、諸説は互いに矛盾し、聞けば聞くほどわからなくなってくる。およそありとあらゆる食物にたいして、それぞれに説得力のある見解が出されている。食べてはならないという理由も添えられている。獣肉、魚、鶏肉、ミルク、チーズ、バター、果物、野菜、植物油、小麦、卵、パン、イースト、砂糖、スパイス、どれをとりあげてもそれぞれ禁じる考え方がある。もしその見解がみんな正しいものなら、体がほしがっていても、あたまか「食べてはならない」理由を見つけてしまい、われわれは食品の山に囲まれながら飢え死にしかねないありさまである。
 ヨーガの食事観では、すべての食事を上級(バランスという特質がある)から下級(不活性という特質がある)までの三つのカテゴリーに分類する。新鮮なヨーグルトや白米は最上級であり、玄米は最下級に属する。日本で生まれた食養生法であるマクロビオティックでは、玄米が最良の食物だとされ、乳製品や白米は遠ざけられている。
 何を食べるべきか。私の言えるのは「唯一の正しい方法」というものはないということだ。
 人間はもともと草食動物なのだという専門家もいれば、健康のために動物たんぱく質を食べるべきだという専門家もいる。人間は雑食動物であり、ただ生きるためだけではなく、よりよく生きるために、驚くほどに多様な食物を食べるように作られているというのが事実だろう。
 食養生法の大部分にいえることであるが「人間のからだは不完全でもろく、正しい食物を正しい組み合わせで食べていかなければすぐにも壊れる」という仮説に支えられている。この仮説はあやまりである。