ナチュラル│糖分の問題点

糖分の問題点
 澱粉が完全食品なら、糖分はどうなのか。糖分の「空カロリー」という概念は無意味である。カロリーはカロリーであり、糖分のカロリーも肉やミルクやオリーブ油やポテトのカロリーと同じものなのだ。もちろん、糖分だけを食べて生きようとすれば、いずれは病気になる。体は炭水化物以外のものも必要としているからだ。
 澱粉と違う点は、糖分は体に入るとすぐにエネルギーになってしまい、その配分や蓄積のコントロールが難しいというところにある。澱粉の場合は、体がそのカロリーをうまく蓄積して、必要なときに糖分に変えることができるのだ。糖分が多い食生活をしている人の多くが、さまざまな症状を訴えている。共通していえるのは、エネルギーの素早い「ラッシュ」(急激な増加)と、それにつづく無気力や抑うつへの「クラッシュ」(堕落)である。甘いものを食べるとぐたっとして眠くなるといって、クラッシュだけを感じる人もいる。糖分を食べるのをやめると高揚した気分が中断するという人もいる。子供に糖分を与えるとハイパーアクティブ(過活動)になり、糖分を制限したりやめさせると落ち着いてくると断言する親もいる。
 いうまでもなく、体は人によって異なる。糖分をきれいに処理できる人もいれば、できない人もいる。処理できない人の場合、そこで生じる症状はアルコールから生じる症状の軽度なものだと考えればいい。アルコールは薬物であり、また食物でもある。体はアルコールを炭水化物として代謝するわけだが、その際の燃焼が急速で、組織や器官に大量のカロリーを放出してしまう。
 今日では甘いもの嗜癖について語るのがファッションになり、私に「砂糖を食物だと考えるからいけないのだ。砂糖は薬物だというべきだ」と迫る人も出てくるようになった。しかし、私は砂糖を「ある人には薬物に似た作用をおよぼす食物」と呼ぶほうがいいと思っている。砂糖嗜癖も他にたいする嗜癖と見かけは変らないが、砂糖がもっとも力のつく栄養源であり、強力な快楽のもとであるという見解には、私も同意せざるをえない。
 代謝やエネルギーサイクルへの作用を別にしても、糖分が歯に悪いことは確かである。虫歯の原因となる細菌の大好物なのだ。その点からいえば、同じ糖分でもたちのいいものと悪いものがある。蜂蜜はべとつくので、ときの歯にはよくない。チョコレートは以外なことに、さほど悪くない。細菌がエナメル質に付着するのを防ぐような成分が含まれているからだ。糖分の多い食生活を続けると、とくに女性は酵母菌感染にかかりやすくなり、ある種の関節炎や喘息を悪化させ、血清脂肪のレベルを高める。

2019年9月
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