ナチュラル│悪い癖を治す.1

嗜癖の時代
このところ、「嗜癖」「依存」「嗜癖パーソナリティ」などという言葉が頻繁に聞かれるようになった。どの都市に行っても「アルコール常用者更生会」(断酒会)の治療プログラムを真似た「悪癖を治す12ステップ・プログラム」が行われている。コカイン・睡眠薬・マリファナ・特定の食べ物などをやめられない人、ギャンブルや買い物がやめられない人、脅迫的な恋愛やセックスから逃げられない人などのための更生プログラムである。
嗜癖は心理の問題でも薬理の問題でもない。しかたって、心理学や薬理学の手法では解決できない。それは霊性/精神性にかかわる問題である。なぜなら、嗜癖とは欠落を埋めて全き状態になろうとする試み、こころが満たされた状態を経験しようとする試みの、その方法を誤ったものだからである。
嗜癖がわれわれの人間性そのものに深く根差している以上、嗜癖行動を変えるのは簡単ではない。それは一生かけた仕事になる場合もある。ウエルネスを獲得する基本戦略は、有害な習癖から自由になるということである。嗜癖的な性向を変えることが難しいとすれば、少なくとも自己の嗜癖姓を自覚し、それをより害の少ない方向に持っていくことはできるのではないか。たとえば、タバコ嗜癖がタバコをやめて運動嗜癖になれば、嗜癖であることは変わらないにしても、健康にははるかにいいのではないか。