ナチュラル│悪い癖を治す.5

自己発見への道
我々はみんな、何らかの傷を負ってこの世に生まれてきた。その傷は人間誕生のときに負ったものである。どんな家庭に育とうが、どんな社会に生きようが、我々は傷を負った存在なのである。人間が希求するものの多くは、治癒である。我々は完全であること、全体である事を求め、魂の飢えが終わることを望んでいる。そして、たいがいは自分の外部に満足をもたらすものを探している。それが嗜癖や耽溺の根源なのだ。皮肉にも、食物・薬物・セックス・お金をはじめとする快楽の「よりどころ」からどんな満足を得たとしても、真の満足が訪れるのはわれわれの内部からなのである。我々は自己の力を外部の物質や営みに投影して、その物質や営みがわれわれを一時的にいい気持にさせるようにしむける。一種の奇妙な魔術のようなものだ。つかの間の全体感覚を得るために外部の対象に力を売り渡しておきながら、対象が自分の力をふるっているかのように思って苦しむのである。嗜癖が癒されるのは、われわれが意識的にそのプロセスを経験し、自己の力を馴らしつけ、傷の内部から癒されるものであることに気付くときである。人間は苦痛と渇望に責め立てられて行動を起こし、否応なしに自己発見への道を歩み始め、真の自己と一体となるのである。