炎症
炎症はけがや感染にたいするからだの正常な反応であり、治癒の主要な要素である。炎症反応の特徴である「赤くなる」「腫れる」「痛む」はすべて、免疫系・循環器系・内分泌系が活発に働いて、体の防衛機能を高め、損傷を受けた組織の治癒を早めている証拠なのだ。ところが、その正常な反応の限界を超えるか、無目的に反応するかした場合には、炎症そのものが病気を作り出す。たとえば自己免疫疾患や筋肉骨格系の病気に発展していまうことがあるのだ。炎症の治療に医師が使う抗炎症剤は胃を傷つけ、ステロイド剤は症状を押さえつけるだけであり、毒性が強い。炎症にはそれにかわる、自然な療法がある。炎症はプロスタグランジンという一群のホルモンによって調整を受けている。炎症反応を強めるプロスタグランジンもあれば、弱めるそれもある。アスピリン、イブポロフェンなど非ステロイド系の抗炎剤は、プロスタグランジン系に働きかける。食物もプロスタグランジン系に影響をあたえる。とくに、ある種の脂肪を食べたり、食べなかったりすることによって、その調整ができる。体が脂肪酸からプロスタグランジンをつくるからである。
多飽和植物油の多くは炎症反応を強めるようなプロスタグランジンをつくるので、何らかの慢性炎症症状がある人は食事からそれを除外しなければならない。クロフサスグリ油に含まれているガンマリノレン酸は炎症反応を弱めるようなプロスタグランジンをつくるので、食事に加えたほうがいい。
もっと早く症状を軽くしたい人は、アスピリンやイブプロフェンを慎重に使えばいい。飲むときは必ず胃の中に食物を入れること、胃痛などの症状が出たら、すぐに服用をやめることである。 ある種の炎症には温冷湿布が役立つ。こころと免疫系との繋がりを活用するのは、催眠法やイメージ法がいい。
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