ナチュラル│腰痛(慢性)

腰痛(慢性)
ほとんどの慢性腰痛は筋肉の構造的な破損からではなく、筋収縮のアンバランスと筋肉組織にたいする神経支配のパターンのアンバランスから生じる炎症によるものである。ある慢性腰痛の専門家はこれをTMS(緊張性筋炎症候群)と名付けている。「緊張性」とは、神経筋系のアンバランスから生じるという意味である。その専門家は、患者と話をして痛みの本質を理解させるだけで治したという治験例をたくさん持っている。多くの患者が、彼の話しを聞いただけで、他の治療で治らなかった痛みが、消えたと報告している。
慢性腰痛はすべてこころの問題だといっているのではない。解剖学的にも生理学的にも、明らかに筋肉に歪みが生じているケースはいくらでもある。しかし、痛みの発症にいたる一連の事象の末端がつねに腰の筋肉に存在してわけではない。それは神経系にも存在し、神経系は精神や感情に結びついているということなのだ。
慢性腰痛に悩む人のほとんどが、自分の腰が弱く、問題は腰にあると思っている。わたしの経験では、それ以外の原因によるものであることが証明されるまでは、すべての慢性腰痛(頚部痛)はTMSだと考えて、治療努力の大半は腰より頭に向けたほうがよさそうだ。とくに、神経系を異常なパターンに導く思考習慣、感情習慣、ストレスへの対処法を変えることに力を注いだほうがいい。勿論腰背部に外傷歴がある人は、その弱い部分がTMSの中心点になると考えるできだろう。
腰を強化し、神経機能のバランスを回復し、柔軟性を身につけ、ストレスを緩和するにはヨーガがすぐれた方法である。腰が弱いと思っている人には、おすすめしたい。

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