気功に関する問題│感覚

感覚反応に関する問題
練功中、練功者の注意力が自己の身体内部、甚だしければ身体のある部位に集中すると、生体は外部との関連が減少するので、それに応じて生体内部の感受性が高まる。しかも練功は覚醒状態でおこなうので、平常とは異なる内容の自我感覚が現れることがある。これを「触動」ともいう。
(1)感覚の状況
練功中、身体に現れる感覚を『童蒙止観』の中では「痛・痒・冷・暖・軽・重・渋・滑など八触」と記載している。このほかにも、掉・猗、冷、熱、浮、堅、軟の八触の説もある。この両者を合わせて十六触ともいう。
科学的資料として調査する必要ありと考える。なを本には上海市気功療養所の資料あり。
(2)感覚発生の原因ととるべき態度
気功の感覚に対しては正しい態度で臨まなければならない。
①練功中の全身感覚が主要である。
②練功中に現れるある種の感覚は、体内の自己調整による生理的変化にせよ、ある局所の感覚にせよ、すべて自然が生み出した現象であり、決して神秘的なものではない。
③練功中にある種の感覚が生じたときは、練功の注意力を分散せず、自然に任せる。
(3)練功による反応の処理
頭部の充満感…一般的には緊張し、功を焦るあまり、用意が重すぎたため生じる
頭痛…練功により単純に引き起こされるし、用意が重過ぎたり緊張が頭部に集中してもおこる。
胸苦しさ・胸痛…これは気が塞がった為に起こり、阿字訣を行う。
両脇痛…練功中および練功後、両脇に痛みを感じる。これは呼吸に力を入れ過ぎるためにおこる。呼吸を軽く行い、局部をリラックスさせ、脇肋部をさすりながら、嘘字訣を行う。
腹部膨満、腹筋のだるさ…これは意識的に腹を膨らまし、腹式呼吸を追求することでおこる。しばらく腹式呼吸を停止し、腹をさすり、足の三里を意守する。
動悸…吐き出す息が強すぎるためにおきる。湧泉と中衝を意守する。
腰のだるさ、背部痛…坐る姿勢が正しくないためおこる。
大便が多い…側臥式のとき、多くなる患者がいる。この場合は守脚趾法を行う。
冷え…虚弱体質で体内の熱量が足りなくておこる。練功前にお湯を飲み、冷えが現れたときには超鼻息法に変える。
丹田の加熱…これは丹田を意守する時間が長すぎたため、用意が重すぎてひきおこる。退火功を行う。
身体の加熱…これは体内の熱量が盛んになり過ぎたためであり、下火功を行う。

2024年4月
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