小周天の鍛錬│あらまし

小周天のあらまし
1.周天と小周天
古代の天文学者は天体を球形に象り、その表面に日・月・星を配列した。この球面の中には周囲無限大で、ここに大圜と称する一帯を仮にあるものとして設定した。これは黄道ともいわれる。黄道は一周360度で、この黄道の両側8度内を黄道帯として、28星宿がそこに配されているように、それぞれ星宿を配列した。孔頴達の『礼記』月令篇疏は「およそ28宿および諸星はいずれも一日一夜をかけて左周りに天を一周する」と註釈している。したがって、周天とは黄道の一循環を意味している。
小周天とは、下丹田の精が化して生じた暖気の感覚が人体の任脈・督脈の2つの経脈上を動いて循環することをいう。
人は成人になると、先天の精は物欲によって消耗・損傷されてすでに不足している。このため先天の元気で先天の精を温煦して充実させ、さらにそれを再び先天の精気に返さなければならない。これが小周天の練精化気の目的にほかならない。このように丹書では考えられている。
2.任脈・督脈について
任脈・督脈は小周天の運行の道である。だから、小周天を練功しようとするなら、まず任脈・督脈についてかなりの程度理解しておかなければならない。中医学の経絡学説によると、人体には12本の正経と8本の奇経がある。この奇経8脈とは、督脈、任脈、衝脈、帯脈、陰蹺脈、陽蹺脈、陰維脈、陽維脈である。この奇経八脈は内丹功夫と密接な関係にある。そのため、李時珍はその著『奇経八脈考』で次のように論述している。「八脈については、多くの書物に散見されるが、いずれも概略で詳しくはない。医家がこれに無知ならば病機を探る事はできず、仙者がこれを知らないとすれば炉鼎を安んずることはできない。わたしは明敏ではないが、諸説を参考に収集して、仙者、医家のために手引書として役立てばと思い、これを供する。
督脈が「諸脈を総督する」とか「陽脈の海」といわれるゆえんは次の理由による
①督脈は背部正中を循行して、その脈気が12正経の手三陽、足三陽の計6本の陽経すべてとたびたび交会する。そのもっとも集中する部位が大椎穴で、このあたりで手足三陽経は左右がすべて交わる
②帯脈は第2腰椎から出ていて、陽維脈は督脈と風府、瘂門で交会する。このようにして督脈は統率作用を果たしている
任脈が「陰脈の海」といわれるゆえんは次の理由による。
①任脈は胸腹正中を循行して、中極穴、関元穴で足三陰経と交会し、天突穴、廉泉穴で陰維脈と交会し、陰交穴で諸脈と交会する。
②足三陰経は上行して手三陰経と接続する。このようにして、任脈は6本の手、足三陰経すべてと通じることができる。
3.小周天は子午周天である。
小周天は、後天から先天へと立ち返り、後天八卦式から先天八卦式へと錬成させようとする功法にほかならない。
4.小周天は活子時に起火する
小周天で景象が生じる時を活子時と総称する。活子時の景象とは覓元子が言うように「外腎(陰茎)が挙がろうとするときが身中の活子時である」。