小周天功法│産薬

産薬
「神を凝らして気穴に入れる」という鍛錬によって、精気はしだいに旺盛になって行き、ついには小薬(大周天では大薬)が産出される。この小薬は真種子とも呼ばれる。たとえば『金仙証論』には「調理によって薬物が生み出されるのを、神は知るだろう。この薬物を小薬といい、また真種子ともいう」と記されている。小薬が生じるときが、活子時であり、一陽が生じる時にあたる。これは、練功過程に現れる一つの景象である。だが、産薬するときの景象について、丹書は省略して記述しないか、形容で済ましてしまうかのどちらかで、明確に論じてあるものは少ない。これは、この種の景象は描写するのが困難か、主観的追求に終わってしまうからである。
景象の全体像については、『瑣言続』が次のように記述している。「練功の閑寂の境地に入るか入らぬかのうちに、忽然と内機の存在を覚え、そこでそれを手に入れるのである。これは活子の発端である。つづいて、機が勃然と現れるのを覚える。すなわちこれが活子の正象である。機はゆったりと身内に浸透していって男根に達するや、ついに内気が充満する活子の時が到る」。この説明によれば、活子時は三段階に分けることができる。
第一段階 活子の発端…一陽初動する
丹田はときほぐされて和らぎ、十指から全身にいたるまでの緊張が弛み、むだな力が抜けて快い気分に包まれる。自然に身体はまっすぐに伸び、心は何も考えず落ち着く。毛竅に痒みが生じ、四肢は思いのままに動かすことができない。呼吸は停頓し、いまにも泄らさんばかりに杳冥、恍惚とした境地に入る
第二段階 活子の正象…一陽来復する
恍惚杳冥の境地から抜け出て、精神・意識は力を回復し、想念も再びおきはじめ、呼吸もまた回復される。これが、小薬が産出されはじめるときである。
第三段階 内気充満する活子の時…一陽生ずる
丹田に暖気を覚え、竅中の気は自ら下行して再びめぐり、毛際に行き、禁じがたい痒みが生じる。光はまぶたを透過し、陽物勃挙する。任・督は自ら開く。小薬、すなわち真種子がすでに生み出されていて、このときにはじめてそれを採取し得るときが訪れたのである。

2024年4月
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