小周天功法│体得②

走火
走火とは火候の掌握が当を得ないことをいう。煉己不純となり、そのために焦燥の感に駆られてむやみにつき進んで、結局事を台無しにしてしまうことがよくある。
火候とは練功における消と息を簡潔にいえば、すなわち陰と陽、つまり陽息と陰消である。陽息の時には進火を、陰消の時には退符を行う必要がある。それらの間にあっては二回淋浴をとる。つまりしばし停頓をおかなければならない。つまり走火は偏差に属するとされる。

陽光三現
小周天の過程で、陽光三現の時には、小周天火候を停止しなければならない。陽光が発現する処とその時の景象は、『仙仏合宗』の中で「陽光が発現する時、それはどこから現れるのか。両眉間の明堂と呼ばれる部位が陽光の発現する処である。陽光が発現すると、雷光のひらめきの如く瞬間恍然として心は空白となり無我の境地に入る」と書かれている。
この陽光三現とは、練功の過程で閃光が三度きらめき現れることである。その時の様子と対処法は『仙仏合宗』の中で、次のように記されている。「丁度練精の時に陽光が射す一度目の景象が出現する。このとき、まだ火候は全うされず、淫根もまだ縮んでいない。ひとたび陽が生じたら、すぐ採取し煉って、周天を何回にもわたって運び続けなければならない。幾度も周天を周らせ、安静に持っていくことを繰り返す。必ず巧みに三百回という限られた数に一回も欠けることなく完全に周天を周らせ続けなければならない。限られた数をやり遂げたら、ひたすら入定の境地に居なければならない。こうして真陽を培養すると、二度目の陽光の出現をみることができる」身心が静まり安定した裡に、また突然に陽光の出現するの見る。「三百回という規定の回数、巧みに周天を周らせ終えると、亀(淫根)は縮んで挙がらないという外景が次第に現れてくる。…たとえ動機がきざし、またその火を去ったとしても、更に入観することができる」。三度目の陽光が出現するとき、「真陽はひとかたまり聚まり、大薬は純乾となる。…火を止める時は、ただ陽光三現の時だけ」。これが陽光三現の時であり、また小周天火候の終束の契機である。

2024年4月
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