止観法│法門①

(1)調身、調息、調心
調身…調身とは止観時に身体姿勢を調整することをいう。姿勢については、仏教では、ふつう結跏趺坐をとるようにいわれている。
調息…調息とは、呼吸を調え、練ることである。呼吸の状態については、後漢末の仏教翻訳家・安世高の翻訳『大安般守意経」巻上で「粋には4事がある。1に風、2に気、3に息、4に喘。有声なるものが風、無音なるものが気、出入が息、気の出入りして尽きないものが喘である」と指摘されている。
調心…調心とは心情を調え安定させることをいう。『童蒙止観』の記述に従って、3つの段階に分けることにする。
第1段階 入定
入定に要求されることがらは、「一には、乱相を調伏してほしいままにせしめず。2には、沈、浮、寛、急に所を得せしむべし」である。乱相を調伏する、は容易に理解できる。
第2段階 住定
住定とは、(身・息・心の)3事を調えている時に不調和な部分が発現したなら、随時、心(意)を用いて不適当なところを正さねばならないことを指して言う。
第3段階 出定
止観法の修練を終えるに際しては、必ず「出定調身息心方法」にもとづいて行い、慌てずに静から動へとゆっくりと移行していって、不良な結果を生み出さないようにすることを、出定という。
三者の関係…調身、調息、調心の3者はそれぞれその鍛錬法が異なるが、練功を行う中では、『童蒙止観』が「3者は合わせて用いなければならず、別けて説くことはできない」と指摘しているように、3者をそれぞれ関連させて行わなければならない。

2024年4月
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