西野皓三│心まで移植①

心まで移植された①
身体知、つまり細胞レベルの知が持つ、信じられない能力についての話題を紹介しましょう。NHK衛星放送の「ワールド・レポート」で紹介された「心まで移植されたのか」題されたレポート(米国ABCテレビ制作「トウェンティ・トウェンティ」)です。
それは、マサチューセッツ州に住む、肺と心臓の移植手術を受けた57歳の女性が、手術前の性格や好みまで変わってしまったという話です。
その女性はダンス教師であり、コリオグラファー(振付師)でもあるクレア・シルビアさんです。彼女は、肺の奇病にかかり、生き長らえるために心臓と肺を同時に移植するという大手術をうけました。
彼女の胸は切り開かれ、膨らんで変色しながら必死で生きようとする心臓が切り離される…その時、手術室は鎮まり返ります。そして、バイク事故で死んだ18歳の青年の心臓が移植され、鼓動を始める。まさに魔法の瞬間です。
ところが、その大手術後、クレアさんの身体に信じられないようなことが起こってくるのです。
「手術後しばらくして、自分の行動が私自身のものではないような気がして…新しい心臓や肺からエネルギーが来て、以前の自分とは変わってしまったのです」
テレビの画面には、ダンスパートナーであるシュリー・マルカヒートさんが「ダンスをしていると“心臓”がリードを奪い合い、戦っているような気がする」と言っています。
クレアさんは手術後歩き方まで変わってしまったと言います。「娘が『お母さんはアメフトの選手みたいにドシンドシン歩くようになった』と言うのです」と彼女は言います。

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