西野皓三│身体にいる“誰か”②

手術後感じた、自分の身体の中にいる“誰か”②
彼女のような例はけっして珍しくないのです。
同書の中で報告されている事実ですが、自ら骨髄移植を受けたウェイン州立医科大学のポール・パーセル博士(神経心理学)によると、臓器移植を受けた70人以上の人々が、現代医学では説明できない経験をしている証拠を掴んでいます。
たとえば、フロリダに住む臓器移植患者専属の看護師によると、彼女が受け持った心臓移植患者(女性)はもともと極度に水を恐れていて、シャワーを浴びることも出来ないくらいだったのに、心臓移植手術後、水泳やヨット・セイリングをしたいと言い出したといいます。この看護師は、女性患者の特別な変わりようを見て、密かにドナーの経歴を調べてみたところ、その人物は大のヨット好きで、ボート事故で死亡していたことを発見したのです。
また、心臓移植手術を受けたある中年男性は、手術後、急に敬虔なクリスチャンになってしまいました。この心臓移植患者のドナーはバイク事故を起こし、同じ病院に運ばれて死んだ青年だったのですが、その青年の母親がその中年男性を見舞ったところ、彼の話し振りや立ち居振舞いが、ドナーである息子にそっくりなことに気がついて驚嘆したと言います。
また、腎臓移植をすると特に食べ物の好みが変わると言われています。
腎臓移植手術を受けたミシガン州に住むある男性はコーヒーが嫌いだったのですが、コーヒー好きの妹から腎臓提供を受けたところ、手術後、コーヒーが好きになりました。
前述のクレアさんは、食べ物の好みは精神や舌の味覚細胞ばかりでなく、もっと深い身体の生物学的ルーツ(細胞)にあるのではないかと語っています。

2020年6月
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