西野皓三│細胞ラジオ②

私たちの身体は“細胞ラジオ”のようなもの②
元スタンフォード研究所の科学者ブルース・リプトン氏は、細胞生物学的に見て、パート博士の考えがどのように臓器移植患者に当てはまるのかを検証しました。
「こころの物質」神経ペプチドは、すでに何十種類も見つかっていますが、細胞の表面には、それぞれのペプチドに対応するレセプターが用意されています。ペプチドとレセプターの関係は、「鍵と錠」にたとえられます。つまり、鍵(ペプチド)にぴったり合った錠(レセプター)はなければ、何も起きないのです。
移植された心臓は、ドナーに固有な自己レセプターを持っているので、移植を受けた患者のレセプターとはおのずと異なっています。その結果、臓器移植患者は二つの異なる細胞を持つことになります。
リプトン氏は「私たちの身体は細胞ラジオのようなものです。わたしたちの身体のそれぞれの細胞は分子レベルのアンテナを通じて、同じ放送局に同調しているのです」といいます。
そこへ別の「細胞ラジオ」を持った臓器が入ったとすれば、どうなるか。その細胞ラジオが機能し続ければ、その細胞は別の放送局に同調するのではないか…リプトン氏は、臓器移植に伴う不思議な現象をこのように解釈しています。
もちろん、すべての臓器移植患者が新しい「放送局」の信号に反応するわけではありません。リプトン氏は「クレアさんはダンサーだから、自分の身体に対して鋭い感覚を持っているからでしょう」と語っています。

2024年3月
« 2月    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31