西野皓三│免疫能力の秘密①

免疫能力の秘密①
私たちの身体は、外界と交流しながら生きています。しかしその交流は、呼吸や食事のように、生きていくうえで有益なものばかりではありません。病原菌や有毒物質などが侵入するという「悪い交流」もあるのです。
生きているということは、絶えず外敵に身を晒していることでもあります。こうした外敵に対して、身体が用意しているのが免疫系という精緻な防衛システムです。
人間の身体は屋久60兆個の細胞で構成されています。まずDNAのプログラムに応じてタンパク質が細胞を生み出し、その細胞が脳や心臓や肺。胃、肝臓などの主要臓器や、目、耳、鼻などの各器官、さらには骨や皮膚、髪の毛など、身体のあらゆる部分を作っているのです。その高度で複雑な有機体である人間の身体は、免疫システムに保護されることで、初めて日々を正常に生きていられるのです。
免疫能力は生命を維持していくうえで、限りなく大きな働きをしています。免疫システムには免疫グロブリンや貪食細胞、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞などがありますが、身近な分かりやすい例として、白血球の話をしてみたいと思います。
白血球は、血液一立方ミリメートルに約6000個あると言われています。細かく言えば、その数は人によって違います。同じ人であっても、いろいろな条件で変わるのです。たとえば午後になると多くなるし、運動をした後でも白血球の数は増加します。妊娠とか分娩の時も増えます。

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