西野皓三│「頭脳知」では②

「頭脳知」だけでは生きていけない②
生命は屋久12億年前に、原生生物から動物、植物に分かれました。
植物はその細胞の中に、日光のエネルギーを獲得できる光合成細菌を葉緑体として同居(寄生)させることができたので、エネルギーの摂取に不自由することが無くなりました。植物は座して食らえばよいという、現在の植物の形態が確立されたのです。
動物は、日光のエネルギーを直接摂り入れることができません。自ら動いて食べ物を獲ることでエネルギーを摂取するしかないので「動く物」、つまり、動物になったのです。
動物は約4億年前に陸に上がった時、水中の六倍の重力を受けることになりました。その重力に抗いながら、動物は食を得るために動き回らなければなりませんでした。そうして、収縮運動をする筋肉を発達させていきました。
「重力」という漢字を横に並べると「動」という字になります。これは動物にとって「重力」に屈せず生きるということが、必然的に「動く」ということになるのを暗示しているようで興味深く思われます。
動物は食を得るために「動く」のですが、現代社会に生きる人間は、食を得るために「働き」ます。「働く」という字は「動く」にニンベン(人)をつけたものです。これは人間にとっても「動く」ことが生きる根本だということを示しているように思われます。まさに、漢字は実態を表した象形文字だということでしょう。
人間は動物です。人間も「動く」存在であり、その大きな脳は、その「動く」人間が「よりよく動ける」ために生まれたのです。