西野皓三│呼吸が下手②

歳を取ると、呼吸はだんだん下手になる②
野球なら、プロ選手に向かって「私はバットが振れる」と言ったとしても、ご愛嬌で済むかもしれません。しかし、呼吸は人間にとって、このうえなく大切なことです。それを、間違ったやり方で続けていれば、間違いなく、身体の機能を損なうことになるのです。
生まれたばかりの赤ちゃんは、素晴らしい鼻で呼吸を行なっています。純粋無垢な乳児は自然の本能によって、完璧な鼻呼吸をしているのです。
この赤ちゃんも言葉を覚えて成長し、大脳新皮質の働きが活発になるにしたがって、やがて口呼吸を始めるのです。
それでも10代前半までは、鼻呼吸優勢の時期が続くのですが、成人し、歳を取るにしたがって、口呼吸が圧倒的になり、鼻呼吸のやり方も下手になってきます。意識して正しいやり方を行っていないのですから、下手になるのは当然です。
老人になってしまうと、たいていの人はハッハッと短く口呼吸をするようになります。鼻呼吸が大事だという意識がなければ、手軽な口呼吸の癖がどんどん強くなっていくのです。
ちなみに、正月になると、老人がよく餅を喉に詰まらせる事故がおきますが、これは口から酸素を肺に送ることを身体が覚えてしまっているために、本来、食道に行くべき餅が気管に入ってしまうのです。
一方、赤ん坊は母乳を飲んでむせることがほとんどありません。これは鼻呼吸を行っているから、母乳が気管に入らないのです。

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