西野皓三│呼吸教育②

呼吸教育はこんなに大事②
言葉、つまり知性を得たために人間は本来の呼吸を失いかけているのですが、教えられ、自ら習得しないかぎり身につかないという点では、呼吸と言葉は共通するところがあるでしょう。
幼児教育ということから言えば、言葉を覚えはじめたら、同時に正しい呼吸法を教えるというのが、理想の姿です。そうすることで初めて、頭脳と身体の調和した人間に成長するのではないでしょうか。
現状では「早期教育」と称して、頭脳に情報を詰め込むことが日本の教育の主眼になっています。それはいたずらに頭脳を肥大化させ、口呼吸を助長し、何よりも大切な情動感覚を弱らせることになりかねません。これは、現代日本の抱える深刻な問題だと思われます。
子どもは自然に成長していけば、情動と大脳とのバランスが取れた人間になるはずなのですが、丸暗記だけを強要していると、大脳の偏りが増し、そのバランスが取れなくなってしまうのです。
日々成長していく子どもたちにとって豊かな情動、つまり、何よりも大切な感動と好奇心を失ってしまうことは、たいへんに危機的状況だと言えます。
目先のことだけを考え、あらかじめ「答え」が用意されたことばかりを学習していると、頭だけで作り上げた、スケールの小さな既成の目標ばかりに向かって進むようになります。目先の目標だけでなく、大きな夢を持つことが大事なのです。
腸管内臓系に支えられた豊かな情動があれば、何か感動することに出会うと身体の中から自然の衝動が込み上げてきて、それが子どもたちを子どもたち本来の大きな夢の実現に導くことになるのです。

2020年8月
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