西野皓三│文明は自己愛から②

文明は「自己愛」から生まれた②
「このままでは生きていけない。食べていけない」という庶民の本能的な欲求があったからこそ、革命は成功したのです。生存への衝動が、世の中を変え、民主主義を生み出したといっても、けっして過言ではありません。
真の情動の基準から言えば、自己が本当に幸せであるためには、自己を取り巻く他の人々も幸せでないといけないのです。
ところが、生物本来の生きる衝動から外れ、頭脳知が作った社会の中からは「他人を蹴落としても自分だけが生き残りたい」と思う人が出てくるのです。腸管内臓系が発する「生きるための衝動」、すなわち身体知のバランスが取れれば、人間もまた、生き物の持つ本来の共利共生の心を発揮できるはずです。
共利共生は、地球上の生物の生きるための根本原理です。
国家についても同様です。歴史を眺めてみれば、古代でも現代でも、「一国だけの繁栄」ということはありえません。どんな国でも、お互いに共生することによって繁栄し、共生によって世界の均衡が保たれてきたのです。
しかし、頭脳の作り出す欲望が強すぎると、それは利害対立を招き、戦争となってしまうのです。
個人の共利共生が活かされる社会が出来れば、国家も共利共生の道を歩くことになります。個々人の身体知が活かされれば、21世紀における人類の展望は、多くの悲観論があるにもかかわらず、明るく光り輝くものとなるでしょう。

2020年7月
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