西野皓三│頭脳知は他人任せ①

頭脳知に頼ることは、他人任せに生きること①
今、人間の知の歴史は、新しい方向に向かって歩み出そうとしていると言えるでしょう。「新しい知」とは生命の知であり、人間と自然を融合させる知でもあります。外からの情報をインプットして作り上げた「仮想の知識」ではなく、一人ひとりが自分の身体で感じ、判断をする、自立した知だということです。
細胞の知、身体知とは、天体望遠鏡を使って外宇宙を観察することとは、質的に違います。何よりも、自分の内に向かって、内なる自己を発見し、感じ取り、同時に自己を創造することなのです。
頭脳知に頼るということは「外の知」に頼るということであり、他人任せに生きるということなのです。
人間は自分の足で立って、自分の力で呼吸をして生きています。あらゆる生物は、自分の能力を頼りに生きているのです。人間も、いや、人間である以上、自分の知恵を頼りにしなければなりません。
身体知は「自分自身に頼る」ということです。自分に頼るということは頼れる自己を育てるということでもあり、自然に自己を確立させる生き方になるのです。
人間には二種類の価値観があります。
一つは外からの情報をインプットして脳で作り出す価値で、もう一つは生きた身体を通して自分で独自に作り出す価値です。
身体知の作り出す価値のほうが大切だということは言うまでもありません。脳の作り出す価値観は他人のものだからです。他人の価値に従っていては、本当の幸福はあり得ません。
人間は誰でも、他人の尻馬に乗りたがり、群れを作りたがります。それは自分に自信が持てないからなのです。グループを作り、共同作業をするということももちろん大切ですが、特定のグループの中だけにいると、そのグループの価値観を自分の価値観のように錯覚してしまうこともあります。

2020年7月
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