西野皓三│頭脳知は他人任せ②

頭脳知に頼ることは、他人任せに生きること②
身体知を身につけて、一匹オオカミになることなく自己を確立することは大切です。
科学が発達して、便利な社会に住んでいるともりでも、他人任せの社会には思わぬ落とし穴が待ち受けています。
以前、他人任せの社会が作り出す、びっくりするような話が新聞に載っていました。福岡で、くも膜下出血で重体となった人がいて、助けようと119番をしたところ、「当地の消防本部は職員が手薄のため、救急車の出動ができない。タクシーを利用するように」と断わられ、結局、その急病人は死亡してしまったというのです。
報道によれば、その消防本部の司令室には、その時3人しか職員がいなかったそうです。「最低3人は司令室に残らねばならない」という消防本部の規則があるため、他の職員が戻るまで出動はできないと断ったというのが経緯のようです。
もちろん、119番をした人は消防本部職員の言うことが納得できず、再三、助けてくれと電話したのですが、職員は「規則なので、やむを得ない」と言ったそうです。
消防署から5分で行ける現場なのに、ようやく他の職員が戻ってから救急車が出動したのは30分後のことでした。その時には手遅れで、その人は死亡したというのです。
人間が脳で作った規則に縛られ、ごく当たり前の身体知も発揮できずに命を落としてしまうというのは本当にバカげたことですが、これが頭脳知の作り出す他人任せの社会の現実なのです。