「身体知」が楽しい人生を約束する②
現代の人間は“今”“ここ”という時間空間に限定されています。しかし私たちは、明日のことも、100年先のことも、また、遠く離れた故郷のことも、地球の反対側のことも、はては、火星や銀河系のことも思い描くことができます。つまり、人間とは「壮大なバーチャルの世界を紡ぎ出すことのできる葦だ」と言うことでしょう。
パスカルは、そのバーチャルな世界の素晴らしさを力説するあまり、たとえ弱々しく見えようとも、“生きる本体”(生物としての人間)の素晴らしさを言い忘れているように思えます。
実際、ホモサピエンスたる人間は、脳で思い描いたバーチャルの世界を、さまざまなテクノロジーを開発して、次々と現実のものとして実現させていきました。
たとえば「はるかに離れた場所に、なるべく早く行きたい」という思いが、車や新幹線やジェット機の実現を促しました。また、「遠く離れた人と話したい」「世界中の情報を知りたい」という大脳のバーチャルな欲望は、無線や電話、ラジオ、テレビ、衛星通信を生み出し、便利さと飛躍的な向上をもたらしました。人間の思いはバーチャルであっても、そこから生まれ出た輸送機関や通信手段は紛れもない実体なのです。
人間が知的に生きるということは、「生きる本体」である“自己”がバーチャルに振り回されないためには、「今、生きている」という感覚の源泉に直結した、腸管内臓系に裏付けられた身体知を身につけることが絶対条件となります。
「今、生きている」ということが、すべてのリアリティーの原点なのです。
身体が知的に活き活きと輝いていれば、後は自然に楽しく、さまざまなバーチャル・リアリティーを思う存分描くことができます。
身体知を養ってバーチャルな時代を謳歌する…これこそ21世紀の新しい生き方なのです。
西野皓三│楽しい人生を約束②
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