西野皓三│天才と舌出し①

天才は舌を出す!?①
人間の持っている能力の秘密が、本能的な身体の動きや形で表されることがあります。
以前、ある写真雑誌に、NBAのマイケル・ジョーダンが舌を出しながらシュートをしている大きなグラビアが載っていました。
ジョーダンが舌出しプレーをするのは有名です。昔、舌を出しながらシュートをしたジョーダンは、コーチから「ぶつかった時に危険だからやめろ」と注意されましたが、「身体が自然にそうなるのだから」と言って、そのままプレーを続けたと言います。
私が、ジョーダンの舌出しを面白いと思ったのには、理由があります。西野流呼吸法の指導員カリキュラムの中に、舌を大きく出し、息を吐きながら歩き回るという運動があるのです。
解剖学的に見れば、舌は腸管の先端部に当たります。その舌を大きく出すことは、同じ腸管である胃や腸に刺激を与え、内臓の緊張を緩めます。同時に、内臓系と外壁系のバランスをとることにも繋がります。
この「舌を出して歩き回る」という稽古はひじょうに効果はあるものの、老若男女が大勢集まってするのは適しません。女性の中には、舌を大きく出すのを恥ずかしがる人が少なくないからです。
私は後に舌出しと同じ効果がある“捻揺”という、腸管内臓系の緊張を緩める方法を発見し、これを現在西野流呼吸法の正規のカリキュラムとして教えています。足芯呼吸を習ったことがない人が、緊急に体調を整える時のひじょう手段として、次のような方法も書物の中で紹介したことがあります。
身体を緩ませるには、西野流呼吸法を行なうことが一番の基本になりますが、それ以外にもこんな方法があります。なんとか急場をしのぎたいという場合には、試してみてください。
思いきって四つん這いになり、舌を出して、部屋の中を這いずり回ってみてください。ちょっと犬になった気持ちで行うといいでしょう。これだけでずいぶんリラックスするはずです。
なぜこのようなことでリラックスできるかというと、それは自分を、野生の動物に近い、自然の状態に戻すことができるからなのです。