古歩道│自殺者は医原病①

年間3万人の自殺者の何割かは医原病の可能性①
もう少し隠蔽されてきた「医原病」について言及していこう。
日本の死因第7位は自殺である。だいたい年間3万人前後が自殺で亡くなっている。自殺大国ニッポンと、テレビや新聞で報じるとき、たいてい「リストラにあった」「仕事がなく金銭苦が原因」など、あたかも不況による自殺、社会不安が原因という扱いで自殺者数を取り上げている。「豊かなはずの日本で、なぜ、自殺者が3万人もいるのでしょう」と眉をひそめるわけだ。
もちろん、経済的な理由で自殺する人もいるが、実は、自殺者の半数は「健康上の理由」なのである(『警察白書』平成20年度版)。ここからが肝心だ。その健康上の理由で自殺する人の多くは、末期がんなどの抗がん剤治療の苦しさから逃げ出すために自殺に走る人がかなりいる。医療ドラマなどでお馴染みだろうが、抗がん剤の治療は、非常に副作用が強く、患者の負担が大きい。それで完治するなら、まだ副作用に耐える価値もある。ところが抗がん剤治療は、地獄の苦しみが、より長引くという意味になっていくのだ。どうせ治らない、助からないもなら、いっそ苦しまずに死にたい、体力が残っているうちに自殺に走ってしまうのだ。
抗がん剤については別の章でも取り上げるが、抗がん剤とは「人を生きたまま部分的に殺す」薬である。簡単にいえば、がんの進行を止めるために患者の生命力を奪うのだ。通常、認可を受けて標準的に使用されている抗がん剤の多くは「効果は2割」といわれている。この2割とは「2割殺し」の意味で、患者の体力、いわば生命力を2割分奪うことでがん自体を2割殺すわけだ。極端な話、がんを5割消滅させる抗がん剤は、その服用者の生命力を5割奪って「半分生きて、半分死んでいる」というシュレーディンガーの猫のような状態にする。がん細胞は、患者のエネルギーで成長している。肉体が「半分死んでいる」人のがんは、結果的に通常の半分まで縮小して半分の速度で進行することになる。
半分死んでいる状態で、普通、人は生きていけない。結果、がんではなく衰弱して亡くなる(そして抗がん剤は効果があったというデータとなる)。「病気は治った、でも患者は死んだ」という典型的なドクタージョークが、抗がん剤治療なのである。
通常の抗がん剤は「2割殺し」。通常より2割分縮小し、20%分進行が遅くなる。その割合だけ長生きできるかもしれないが、言い換えれば、副作用に苦しむ時間も、その分、伸びてしまうのだ。抗がん剤の目的は、完治や延命ではなく、バカ高い医薬品の投与をできるかぎり長くしていくための「装置」、そう言いたくなるし、事実、そうなっている。抗がん剤治療を受ければ、否が応でも、その事実に気がつく。医者が治療と称して疑獄の苦しみをできるだけ長く与える、そう理解した人の絶望はいかばかりだろう。「健康上の理由」で自殺する年間1万5000人のうち、末期がん患者が多いにも当然なのだ。
いや、自殺した人は、自殺できるだけマシかもしれない。抗がん剤治療の患者さんの多くは、すでに拒絶する意思すら挫かれて医師のなすがままになりやすくなる。言葉は悪いが「生きる屍」と化してしまう、というか、思考能力を衰えさせる効果も抗がん剤の特徴なのである。