古歩道│肺炎も医原病②

たかが「肺炎」で年間12万人が死亡するその訳は②
ところが手術後や薬剤投与でめっきり体力が落ちていると、そんな無害な菌に感染してしまう。この無害な菌が困りもので、インフルエンザといったわかりやすいウイルスなら、すぐにウイルスを特定して、効果的な抗生剤で対処できる。しかし何の菌に感染したのか分からないケースでは、どうしても対応が遅れてしまう。結果、最後の手段として「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」方式で、あらゆる種類の抗生物質を大量投与する。手術で体力が落ち、肺炎のダメージを受けたところに、強い副作用を持った大量の抗生物質や薬剤を何種類も投与されるのだ。アレルギー性のショックだけではなく、異常のなかった臓器までダメージを受け多臓器不全などでショック死することになる。
現実問題として、耐性菌による院内感染より、空気中に当たり前に漂っている普通のウイルスや菌、カビなどに感染して亡くなるケースが圧倒的に多い。だからこそ、たかが「肺炎」で11万人などという死者数になるのだ。
もうお分かりだろう。この院内肺炎は、典型的な医原病なのである。
確かに薬剤性肺炎、術後性肺炎は、治療が目的である以上、一概に「悪い」と決めつけるわけにはいくまい。もちろん無菌室や殺菌で感染を防ぐ努力をしていることも理解している。もともと他の病気で体力が落ちている老人も多いだろう。それでも院内肺炎になるリスクがある以上、院内肺炎で死亡した場合は「医原病 院内肺炎」、そうカウントするのが医療従事者の「誠意」ではないか。肺炎は結果であって、原因ではない。原因は「医療行為で体力を著しく落とす状態」にあるのだから。
ちなみに年間死者数4万人弱で死因第5位の「不慮の事故」も医原病と無関係ではあるまい。交通事故で強い眠気を誘う風邪薬が原因のケースは、広義の意味で医原病に区分けできる。
繰り返すが、日本の公式の統計資料に「医原病」は、一切、出てこない。
しかし、死因をざっと精査するだけで、相当数の死因を医原病と認定できるケースは山ほどあるのだ。全米78万人と見積もったゲーリー・ヌル博士の基準で精査すれば日本も40万人から30万人前後が「医原病」となるはずである。
ところが、日本の医学会、政府は、公式統計の死因を結果でしか出さない。自殺にせよ、肺炎にせよ、心不全にせよ、死因自体は結果しか出さないのは原因を知らせたくないから、そう穿った見方をしたくなる。
なぜ、医者たちは、この事実を隠すのか。医原病など存在していないかのように誤魔化そうとするのか。むしろ、堂々と現代医療の多くは非常に「ハイリスク」と宣言して、そのリスクを低減できる療法へと切り替えていけばいいではないか。
そこに現代医療の抱える「闇」、人を殺す医療システムの実態が浮かび上がってくる。