古歩道│マネーに換える錬金術

アメリカの医療技術は世界一、といわれている。技術だけ見れば確かにそうだろう。
実際、日本の医療ドラマでは「アメリカ帰りの医者」=「凄腕」というのが定番、テンプレになっていると、医療ドラママニアの本書担当編集氏も証言している。
医学教育もアメリカは世界の最先端を誇っている。日本の医師が大学6年間の教育で医師免許を取得するのに対して、アメリカで医師になるには、医者に必須の学問となる一般大学の予備学科を卒業して学士号取得後、医学校や医学部に再入学して4年間、医師となる勉強をする。日本より2年間長いのだ。
さらに、医学教育が骨抜き状態の日本と違い、厳格に専門医制度を運用している。西洋医学におけるドクターの質と技能は、間違いなく最高水準にあろう。
1章で詳しく紹介したが、それでも全米No.1の死因は「医原病」なのだ。教育も最高レベル、世界一の医療技術もある。それでなぜ年間78万人が「医療行為」によって亡くなるのか。明らかに矛盾した話で、話が整合するためには「西洋医学」自体が間違っているか、医療体制の運用がデタラメになっているか、のどちらかとなる。
西洋医学自体の問題は、次の章で検証する。ここでは運用そのものが「人を殺す」ように制度設計されてきた実態を見ていこう。