古歩道│黒幕は医薬品業界④

しかし、現実は残酷だ。フェイズ1、フェイズ2の臨床実験は「治療」が目的ではない。単に「薬の使い方」のマニュアルを作っているだけなのだ。
人間に使って効果があるかどうかは建前にすぎない。フェイズ1の実験目的は薬量の適正値を知ること。わかりやすく言えば、どのくらい薬を使うと「危険」なのか、患者の体を使って試すのである。最初は少量から始めて、どんどん投与量を増やし、「致死量」と「副作用で廃人いなる量」を確認するのがフェイズ1なのである。
フェイズ1で使用薬量の目安、基準が判別すれば、次は実用化を想定した使用方法のマニュアル化に取り組む。治験者の数を大量に増やす、体重差、性差、年齢差、人種差、病状の度合い差など、あらゆるケースを想定しながら、その差による使用量を確認していく。これがフェイズ2なのだ。どこまでが「ヤバいか」、何をすれば「マズいか」、どれが危険信号なのか、ケースバイケースを把握するために医師たちは「危険」な領域にチャレンジする。
ヤバいかな、あ、まだ大丈夫か、じゃあ、もうちょっと増やすか、間隔はどうか?連続使用回数は何回なんだろう…。
当然、このフェイズ2では、かなりの犠牲者が出る。抗がん剤のような強力な副作用を持つ薬の場合、軽く100人オーダーで死者が出る。
そして医薬品メーカーの臨床試験に協力した医師たちは、こういうのだ。
「今後、副作用で死者を出さないためには、このフェイズ2で、あらゆるリスクを潰す必要がある。尊い犠牲が医薬の未来を切り開く」、と。だが、その本音はこうだ。
「ビンボー人は、金持ちが使う薬のために命を差し出せ!」