古歩道│なぜ、ドイツ医学界?②

なぜ、ドイツ医学界だったのか?②
だとしても、「蘭学」をベースにしない理由にはならない。
前述したように日本はオランダ医学を2世紀にわたって培ってきた。蘭方医たちはオランダ語に精通し、オランダの医学書、訳本を本国の医師たちより保有していた。医療器具も江戸の職人が見よう見まねで自作して流通していた。全国各地には蘭方医学を教える私塾がたくさんあった。西洋医学を本格導入するなら、蘭方医学をベースにブラッシュアップしつつ、ドイツ医学を取り込んでいくほうが自然なやり方であろう。
にも拘らず、明治政府は、ドイツ医学をお手本にすると決定後、この蘭方医学を完全に廃止して、すべて一から作り直した。要するに「ちょんまげ」同様、古臭い江戸の文化として切り捨てているのだ。これが理解できないのである。
いや、蘭学を切り捨てさせるところに、西洋医学の抱える真の「闇」がある。
ギルド、である。