古歩道│医療ギルド③

ギルドという国境なき職能騎士団③
このギルドは秘密結社で名高いフリーメイソンにまで遡ることができるだろう。フリーメイソンは「石工ギルド」で、腕のいい石工は、国境を越えて活動する。フリーメイソンが、ある意味、その国の法に縛られず、好き勝手をやっているのは、国王の居城、都市の城壁、要塞などの建設に従事して「軍事機密」を山ほど抱えているからであろう。国王といえども下手にフリーメイソンと敵対して、城壁の弱点や抜け穴などの情報がライバル国に筒抜けになれば大変なことになる。こうしてフリーメイソンは、所属国より上位法とする結社独自の法律や徴税、命令系統などを備え、「国境を持たない国家」となった。
このフリーメイソンの体質を色濃く受け継いでいるのが「医療ギルド」なのである。
ゆえに医療ギルドには、国家をまたがってギルド内の独自の法律、組織構造、命令系統が備わっている。医療に関するすべてをギルドが管理している。医療行為の是非にはじまり、医師の資格権、指導方法、医薬品の販売権、医薬品製造の特許権、医療器具の製造販売まで、国家ではなくギルド内で管理してすべてを決定する。
繰り返すが、医療ギルドとは「国境を持たない医療帝国」なのだ。