古歩道│ピラミッド構造②

医療ギルドのピラミッド構造②
要する日本の医療体制は、ギルドによる権力ビラミッドに改変されたのである。
まず、ドイツ医学界が「王族」という医療ギルドの頂点に立つ。その次に王族から植民地の管理指導を任された「貴族階級」が東京帝国大学医学部、別名ベルリン大学日本分校なのである。この当時、ドイツ留学は、いわば貴族任命式でもあったわけだ。その下の「騎士階層」となるのが軍医と帝大医学部の研究者だ。さらに帝大以外の医学部を卒業した一般開業医が「市民」階層を形成し、その下に「邪教徒」「異端」である漢方、鍼灸、政体などが「奴隷階層」として組み込まれていった。
もうお分かりだろう。
その医療ギルドの中軸たるドイツ医学界が「脚気」を「伝染病」と認定したのだ。ましてや「麦飯医療」は、奴隷階層たる漢方医の指導から生まれた。いわば奴隷が王様に意見しているようなもの。貴族階層である日本医学界が、とうてい、認めることなど不可能だったのである。
ちなみに日露戦争の際、日本海軍は海軍軍医の高木兼寛によって水兵に「麦飯」を導入、脚気の根治に成功した。これは日本海軍がイギリス海軍の影響下にあり、あくまでもイギリス海軍による水兵の食事指導という形で導入された。日本の聯合艦隊で脚気が蔓延していたとすればロシアのバルチック艦隊に敗れていたことだろう。脚気対策には麦飯が有効と世界史レベルの勝利で証明されているのに、それでも頑なに否定せざる得ないところに、この「医療ギルド」支配の怖さが窺えよう。