古歩道│日本の医療ギルド①

それでも戦前までは日本の医療ギルドはまだよかった①
確かに日本の医療界は、欧米の医療ギルドに支配されることで、日本最大の医原病ともいうべき「脚気禍」で、延べ200万人以上を亡くならせた。
しかし、奴隷に身をやつしながら、ドイツ医学界に成果を献上しながら、必死に西洋医学を学んだ日本人医学者たちは、梅毒、破傷風、蛇毒、コレラ、ペストといった、これまでなら死亡するような感染症で多大な成果を上げてきたのも忘れてはならない。その奮闘ぶりは、ある意味、脚気の犠牲者への罪を償うかのごときだった。彼ら自身、心の底では後悔して苦しんでいたのかもしれない。
また、医療ギルドに組み込まれた結果、脚気被害を拡大させたという汚点はあったが、実は医療ギルド支配は、一般庶民のレベルでいうならば、脚気と疫病感染症対策でプラスマイナスゼロの状態だった。実際、戦前は、西洋医学の開業医は数がかぎられ、医療保険制度も不備だったこともあって庶民が開業医に診てもらうケースは、ほとんどなかった。
それもそのはずで政府が西洋医学を導入したのは、絶対数の足りなかった軍医や研究者の確保が目的であって国民の医療向けではなかったからだ。