古歩道│肝炎と覚醒剤②

肝炎ウイルスの蔓延の陰に覚せい剤②
厚生労働省が管轄する国立感染症研究所もC型肝炎キャリアに感染したのは推定100万人から150万人、その最大の原因が1988年以前の集団接種と認めている。薬害肝炎といえばキャリアの血液製剤による二次感染が社会問題となっているが、むしろ、こちらの集団接種感染のほうが、よっぽど深刻な問題であろう。
国立感染症研究所のデータによれば、1・7億人と推定されるキャリアの大半は栄養状態の悪い途上国に集中している。C型肝炎ウイルスは、もともと感染力が弱く、先進国では、よっぽどのことがなければ、まず感染しない。そのため先進国の多くでは肝炎ウイルスそのものが存在しないぐらいなのだ。
渡辺氏も「なぜ日本にはC型肝炎ウイルスが蔓延しているのか」と疑問を投げかける。そして、ある結論に達する。
ヤクザ映画の「仁義なき戦い」で有名な広島で育った彼は、幼少時代からシャブ中(覚醒剤中毒者)が注射を使っている光景をよく目撃していた。覚醒剤中毒者は、この注射(ポンプ)を仲間で使い回す。覚醒剤の使用で体力が弱っていれば、肝炎ウイルスに感染しやすくなる。中毒者が倒れたら近所の病院や診療所に運ばれる。医師は注射を使う。その注射針を今度は風邪や腹痛で、たまたま病院に来た小学生に使う。そのキャリアとなった小学生から集団接種中に、運悪く自分に感染したのではないか、そう推察しているのである。
さらに付け加えよう。日本に覚醒剤中毒が多いのは、覚醒剤の成分メタンフェタミンを日本人医学者が開発(1919年)、その覚醒作用に注目した旧日本軍が武田薬品工業などに製造させてきたからだ。覚醒剤は軍事物資だったのである。それが戦後、放出軍需物資として出回った。それが有名な「ヒロポン」である。このヒロポンが禁止となるのは1951年。つまり、予防接種が義務化されたときには、すでにシャブ中毒者から肝炎ウイルスが予防接種によって子どもたちに広がっていたのだ。しかも覚醒剤には強烈な依存作用がある。一定のボリュームで中毒患者が存在すれば、暴力団の重要な資金源となるだけに違法製造による供給は続く。違法なので高値で取引され、覚醒剤ほしさに犯罪に手を染める。僕に言わせれば、ヒロポンを販売したこと自体、重大な「医原病」と思っている。
なぜならメタンフェタミンを管理していたのは旧日本軍の「軍医」だからである。しかも日本医師会はヒロポン販売と集団接種に関わってきた、肝炎ウイルスの「パンデミック・フルー」(感染爆発)を仕掛けた張本人、そう糾弾されてしかるべきだろう。