古歩道│健康診断の義務化?②

健康診断の義務化で医療被曝世界一②
フランスとチェコスロバキア(当時)の医療チームが、肺がん検診を評価するために、ある調査を行った。
中年男性、愛煙家6000人ほどを対象に、年2回のレントゲン撮影検査を3年連続で受けるグループと、もう一方は検診を受けない、レントゲン撮影をしないグループに分けて調査を行った。本来の調査目的は、それで肺がんの早期発見率に違いが出るかを比較するためのものだった。ところが思わぬ調査結果に合同チームは愕然とする。
調査実施から3年後、追跡調査をしたところ、なんと、レントゲン撮影を受けたグループでは341名の死亡数に比べて50名も多かったのだ(『長寿のための医療非常識』岡田正彦著、光文社より)。
レントゲン撮影による医療被曝では、医師たちは「せいぜい0.1ミリシーベルト。ごく微量で人体に影響はない」と言い続けてきた。それなのに明らかな差がでたのだ。
残念ながら日本は、もっと深刻であろう。というか、もっと酷い状況と考えて間違いない。なぜなら日本の健康診断では「間接撮影」タイプのレントゲンを使用しているからだ。
レントゲン撮影には「直接撮影」と「間接撮影」の二種類のタイプがある。
直接撮影が身体を透過したエックス線で直接、フイルムを感光させるのに対して、間接撮影は、エックス線を蛍光板に当てて、いったん蛍光板を発光させ、その間接光をフイルムに焼き付ける。直接撮影方法は、要するにポラロイド写真のように一枚、一枚、撮影する。それでは健康診断のような多人数を扱うときに時間がかかり過ぎる。そこで蛍光板に迂回することでカートリッジ式のフイルムをしようできるようにした。普通のカメラのようにバンバン撮影して、フイルムが終われば、カートリッジを取り換えるわけだ。

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