古歩道│医療被爆②

医療被爆による細胞のがん化を知っていた武見太郎②
自然被曝は、24時間365日、ゆっくりゆっくり、霧雨のように放射線が人体にぶつかって被曝する。その安全基準値が6・5ミリシーベルトなのだ。
しかし医療被曝の場合、集中豪雨のように局地的に短期間で4ミリシーベルトも被曝しているのだ。水鉄砲と夜露の、どちらのダメージが強いかなど説明するまでもあるまい。とくに健康診断で集中的に照射される胸部の細胞は、当然、「山中因子」を破壊されてしまう確率が高いのだ。
ちなみに現在では、この間接タイプのレントゲン撮影より200倍強力な放射線を照射するCTスキャンが普及している。しかも世界の全CTスキャンの3割は、日本にある。
厚生労働省が発表している「主な部位別がん死亡率推移」を見てみよう。
1970年代、とくに1975年以降、とくに男性の肺がん、肝臓がん、すい臓がんが急上昇していることがわかる。胸部を中心にがんが急増し始めたのだ。
さて、質問しよう。日本の健康診断が義務化されたのは?そう、1972年からである。これは偶然ですませるわけにはいくまい。
もう一度、質問する。
健康診断の義務化をはかり、間接撮影タイプのレントゲン撮影を導入した日本医師会の「将軍」武見太郎は、どんなキャリアを持っていたのか、覚えているだろうか?

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