古歩道│ミドリ十字②

利用されたミドリ十字②
「戦争中、数多くの無実の人間を使って細菌兵器開発のために人体実験を繰り返してきた悪魔の部隊。その731部隊の残党が作った会社なら、この悪魔的な所業も平気で行うだろう」と、猛烈なミドリ十字叩きが始まったぐらいだ。裁判の始まった1989年、実にタイミングよく731部隊の上位機関だった防疫研究室があった旧陸軍医学校跡で、「人体実験をした」痕跡のある大量の人骨が発見されたこともあり、世間のミドリ十字憎しはピークに達する。
結果的に、この両者の存在によって、HIV入り血液製剤を作った外国の製薬メーカー(バクスターとバイエル)は、なんとなく世間の批判から免れてきた。当時は、薬害エイズに関わった社会的責任として「エイズ治療薬」開発に全力で取り組んでいるポーズで評価を受けていたぐらいなのだ。
こうして巨大製薬メーカーは、HIVキャリアとなった血友病患者を救う名目で「人体実験」を繰り返す。そしてエイズ治療薬の開発に成功。それで、さらなる巨額の富を手に入れた。事実、エイズ治療薬の開発が加速度的に進んでいくのは、薬害エイズ事件発覚直後の1990年前後なのである。ほぼエイズ治療薬の開発が終了した1997年ごろ、『汚染血液は海を渡った』の放送から1年後の1998年、ミドリ十字は、吉冨製薬と合併で消滅する。スケープゴート役は廃棄処分といわんばかりに、だ。

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