古歩道│悪魔の部隊②

「悪魔の部隊」が生まれた背景②
記事最後に出てくる「細菌に侵された200人以上」という記述については、戦後、731部隊の上部機関だった防疫研究室に所属していた関係者の証言によれば、「死刑因」とみて、ほぼ間違いないらしい。軍部の命令で死刑因を銃殺する代わりに「人体実験」に使用したというのが真相のようなのだ。先にも書いたが、陸軍医学校跡地で出てきた白骨死体も、そうした死刑因を埋葬したものといわれている。
彼らが清廉潔白で、悪魔の部隊は捏造、と擁護したいわけではない。軍隊には、表と裏がある。その「裏」の姿は、そう簡単に表沙汰にはならないし、731部隊の隊員といえども、機密中の軍事機密である「裏」の部分に触れている人間は少ない。
少なくともアメリカの公文書館で扱うレベルで731部隊の実態はきれいに「洗浄」(ロンダリング)されていた。一般レベルでは、何の問題もない部隊となっていたわけだ。
ここに「陰謀」が隠されている。
元731部隊の隊員を取材したが、はっきりと「人体実験」を行ってきたと認めている。それでも彼らの「罪」は、ものの見事に隠蔽されてきた。きちんと戦後処理されてこなかったことが問題だったのだ。731部隊の罪を隠してきたのは、いずれ「役に立つ」まで寝かせておこうと考えていたのだろう。
その「役に立つ」ときが、薬害エイズ事件だった。
最初から「トカゲの尻尾」とするつもりだったわけだ。

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