古歩道│薬害エイズの真実①

731部隊が医療マフィアの傘下に入ることになった事件こそが薬害エイズ事件①
『悪魔の飽食』は、第1部が1981年、第2部がよく1982年、日本共産党機関紙『しんぶん赤旗』で連載され、光文社から単行本が刊行。大ベストセラーとなった。
この作品は、戦争末期、旧ソ連に連行された731部隊の隊員たちが、旧ソ連のハバロフスク戦犯裁判で「数千人をマルタと呼んで人体実験をしていた」と証言したことに基づいて執筆されている。
ともあれ、この『悪魔の飽食』によって、731部隊に所属した関係者はここで初めて「人体実験を繰り返したマッドドクター」として扱われることになった。
「731部隊として糾弾されたくなければ、言うことを聞け」
「おまえを名指しでメディアに取り上げさせることなど、造作もないんだぞ」
彼らの多くは戦後30年以上が経ち、日本医学界の重鎮に収まっていた。しかも当時の731部隊では若手の下っ端である。重要な機密に関わってはいなかった可能性も高い。だからこそ、脅しが効果的なのだ。戦争も終わって経済発展の中、日本医学界で成功した矢先に「731部隊の元隊員」として「悪魔」のごとく世間から吊し上げられ、罵られるのだ。自分だけでなくセレブを気取っていた家族や親類にまで迷惑をかける。プライドの塊のような彼らに耐えられる類いのものではなかろう。

2024年4月
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