古歩道│医者不足③

「しなくてもいい手術」をする医者はたくさんいても「医師不足」とは?③
だが、最新機器で「発見」された病気は、もしかすると、放っておけば悪化することなく、自然治癒したかもしれないのだ。それどころか最新機器のない病院で検査した場合、「ああ、この程度なら薬で治せますよ」「うーん、しばらく様子を見てみましょう。悪化するようなら、そのとき、改めて考えましょう」といわれていたかもしれないのである。
どんな簡単な手術だろうが、強力な医薬品を服用して身体にメスを入れれば体力はがた落ちする。第1章で紹介した「院内肺炎」、いわゆる術後肺炎になるリスクは高まる。それで後遺症が出たり、命に関わったりしたら、それのどこが「素晴らしい病院」なのか。
最新医療機器などない「ボロ病院」で、病気に気づかない「ヤブ医者」のほうが、結果的に「いい病院」で「名医」ということになる。
繰り返すが、最新医療機器を揃え、スタッフが充実してサービス満点の大病院ほど、その体制を維持するために不必要な検査と手術、治療行為をする。前章で見たように、不必要な検査の代表格がレントゲンやCTスキャンである。つまり「医療被曝」でがんを誘発しやすいものばかりなのだ。胃カメラなども、それで胃や腸の粘膜を傷つけ、それがもとで炎症を起こし、胃潰瘍となるケースも珍しくはない。検査して「病気」になる。命を縮める。ならば、なにもしないのが、一番、安全で健康にいいということになる。
まさに壮大な皮肉であろう。

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