古歩道│自然死②

自然死は「痛み」を感じない②
そもそも自然死、老衰は、基本的に「痛み」を感じないといわれている。老衰で身体の機能を徐々に失っていく過程で、大量の脳内麻薬が分泌され、実は人生最大の快楽を感じながら亡くなる。大往生と呼ばれるご老人たちの顔が安らかなのは、そのためだ。
ところが、強引に自然死から外れて寿命を引き伸ばすと、脳内麻薬の分泌が抑制される。身体が壊れているのを感じながら死を待たなくてならなくなる。言いたくはないが、「拷問」と一緒なのだ。そうして多くの老人が苦痛に顔を歪めて亡くなっている。
医者は、経験からそれを熟知している。心ある医者は、最後の段階で早めに呼吸器を外したり、生命維持装置をゆっくりと止めたりする。酸素不足で脳内麻薬の分泌を促し、結果的に苦痛が和らぐことを知っているからだ。
だが彼らの心ある行為は、たいてい「医療放棄」として糾弾される。
病院経営からすれば、老人が苦痛に苛まれようと、無理やり寿命を伸ばす行為が「金儲け」となるからである。老人医療は無料だが、病院側はちゃんと医療保険から代金を頂いている。自然死などされては、病院は丸損。絶対に認めるわけにはいかないのだ。

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