古歩道│医師不足の真因②

「医師不足」を煽ったほうがお金儲けに都合がいい②
子どもの発熱は、一見、派手なものの、朝になれば、ケロッと治ることも多い。下手に病院に駆け込んで、不慣れな場所で長時間、治療を待っていると、本当に体調を崩すことだってある。なにより他の子どもがインフルエンザや風邪を引いていれば、感染リスクも高まる。
夜、子どもが熱を出した。ネット電話ですぐに相談できる出産育児経験を持ったナースプラクティショナーがいれば、親御さんも冷静になれる。今はスマートフォンでも簡単な体調検査ができる(それも自治体が補助すればいい)。そのデータを見てもらって対処方法を教わる。病院に行ったほうがいいと判断した場合、ナースプラクティショナーからネット経由で病院に状況情報を伝えておけば、診断の手間が省けるし、治療もスムーズに進む。パニック駆け込み患者が少なくなれば、当然、小児科医たちの負担も減る。治療も万全を期すことができる。
言い換えれば、こういうシステムを取っていないから医師不足となるのだ。そのしわ寄せが、産科や小児科という「弱者」に向かっている。出産と育児という、社会にとって最も大切な部分が、脆弱になっているのだ。
繰り返すが、今現在、日本にある医療のリソース(資源)を再配分するだけで、医師不足などあっという間に解消する。とくにナースプラクティショナーの制度を導入すれば産科や小児科で高価が発揮されるのだ。社会的弱者から救うことができるのである。

2024年4月
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