古歩道│アヘン戦争の真実③

ヘロインは、モルヒネに無水酢酸を入れ加熱して生成する。最大の違いは、アヘン(モルヒネ)が水溶性なのに対して、ヘロインは脂溶性物質という点にある。この脂溶性こそ、ヘロインが「ドラッグ(薬物)の王様」と呼ばれるゆえんなのだ。
多くの人が勘違いしているが、アヘンは、いくら吸ってもさほど危険はない。せいぜいキツメのお酒といった程度のものでしかないのだ。アヘンを吸えば、即座に廃人になるようなイメージは大嘘なのである。先にも説明したようにアヘンが禁制品となっていたのは、それが貨幣として流通していたからで、貨幣価値を維持するために使用量と供給量をコントロールしているのだ。害があるとすれば、アヘンの鎮静作用は空腹の苦痛まで取り除くのでアヘンを吸い過ぎると、食事をしなくなる。お酒は高カロリーだが、アヘンに栄養はない。だから痩せこけて倒れてしまうのだ。
アヘンは水溶性と紹介したが、水溶性物質は脳関門でせき止められて、一定量以上、脳に供給されない。いくら吸ったところで効果は限定されるわけだ。
ところが脂溶性は、脳関門をフリーパスで通過する。ヘロインの麻薬物資は、ダイレクトに脳に届くのだ。文字通り、脳にガツンと効く。いうなればアヘンの麻薬物資を脳に直接送り込むために開発されたのがヘロインなのである。

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