古歩道│アヘン戦争の真実④

ヘロインの最大の害は、脳に快楽物資をダイレクトに送り込むことで、本来、脳内で分泌されている脳内麻薬がストップすることにある。脳内麻薬に似た物質が大量にあるために、脳がそう判断してしまうのだ。しかもヘロインの供給が止まっても脳内麻薬はすぐに分泌することはない。工場で言えば生産ラインがストップしているようなものだ。ヘロインの快楽物質は、多幸感と鎮静作用だ。だからとろ~んとして幸せな気分になる。
ゆえにヘロインが切れると、今度は多幸感と鎮静作用を持つ物質が体内でゼロの状態になる。つまり、すべてが真逆となるわけで、多幸感がゼロになれば急激な不安と絶望感が襲ってくる。鎮静作用がゼロになれば、全身に悪寒と激痛が走る。
知人のヘロイン中毒者によれば、「(薬効が切れると)すべての骨という骨が軋んで砕けたのかと思うくらい痛んだ。体中が苦痛だらけとなり、とにかくヘロインを打つことしか考えられなくなる。ヘロインを打つためなら、なんだってする、人を殺せというなら、殺すからヘロインをくれ、そんな気持ちになるんだよ」と語っている。

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