言霊百神|開闢(中今の意義)④

天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)【言霊ウ】
天地のはあじめの宇宙の時間空間及び次元の中心、すなわち「中今」の直接的な知覚体を云う。『易』で云う「太極」のことであり、宇宙がその姿を現す最初の様相であり、我なるものの自覚の出発点であって、この我は自覚と同時不可分に存在する。すなわち我と云うものの最も原始的な端的な存在状態を云う。換言すれば宇宙生命の活動である人間の知性霊性が現れる始原であり出発であって、人間はこの根拠淵源をこれ以上更に遡ることはできない。時間空間は無限であって、然もその無限の奥を伺い知ろうとすることは不可能である。すなわち人間には無限と云う限界があり、無限と云う壁がある事であると云うことが出来る。
そこでも早やこれ以上先には行けないのであるから引き返すより他はない。この引き返すことを自己返照と云う。この時何処へ引き返すかと云うと、その究極の無限から出て来る究極の有限へであって、それは今の瞬間と此の場所である。このようにして宇宙の無限と有限の関係が体認される。その無限を天と云う。宇宙と云うことである。その有限を中主と云う。「中今」の自覚者(主)と云うことである。御中主のみは形容詞と取っても、霊の義と取ってもよい。天之御中主神の形を図示すれば左の如くなるであろう。

2024年4月
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