言霊百神|創造意志(子音)②

以上のところをもう一度繰り返して説こう。初め宇宙が剖判すると高御産巣日(アオウエ・イ)と神産巣日(ワヲウヱ・ヰ)に分れる。仏教ではこれを五大(地水風火空)と云い、儒教ではこれを五行(木火土金水)と云い、キリスト教ではこれを五大天使として示している。この五行五大を「天之御柱(あめのみはしら)」(忌柱・御量柱)と云う。「一心の霊台、諸神変通の本基」(『神道五部書』山崎闇斎記)と記されてある。五柱の独神は五段階の次元の重畳として存して全宇宙を形成している。この五段の重畳を五重すなわち家と云う。霊肉、生命の本体実体である。アオウエイ五母音を象徴と概念を以て示すと左図(図表3)の如くなる。
アとワである陰陽両儀はオヲ、エヱを分けて、その剖判の最後の段階であるイヰの次元に至って初めて「独神」「隠神」の境域を離れて交流して実相を生む生命活動を開始する。これを岐美二神の御子生みと云う。そのイ、ヰの交流の道を生命(イの道)と云う。生命の活動を岐美二神の嫁の道と云い、美斗能麻具波比(みとのまぐはひ)と云い、婚(よば)ひと云う。ヨバイは呼び合いである。それは母音(アイウエオ)と半母音(ワヰウヱヲ)が呼び合うことであり、また父韻(ヒチシキミリイニ)と母音(アイウエオ)が呼び合うことである。
古神道ではアオウエイ五母音である天之御柱(あめのみはしら)を樹(た)てることをイツキ(斎き)と云う。五作(いつき)の義である。トツキ(嫁ぎ)は十作(とつき)であって、イ・キシチニヒミイリ・ヰの十音の交流であり産霊(むすび)である。この産霊は父母音が互いに呼び合って結合して子音(実相)を生むことであるから、これをヨバイ(呼び合い、婚い)と云う。換言すれば父韻である色(識、男性)が母音である実在(女性)を呼び出すことである。隠神であり空相である実在は識の原律の誘いによって初めてその実相を現わす。

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