言霊百神│大行⑥

歴史を顧みると中世近世の化学者は物質を分析精錬することによって万有の元素を発見した。水素、酸素、鉄、ウラニウム等の元素は精錬された物質の実相である。先験科学である現代の理論物理学では素粒子と電子を組合わせることによって随意の元素を創造することが可能になった。一方ハイデッガーやマルセルに及ぶまでの西洋哲学に於ては現実を分析精錬することによって彼等の所謂実存の正体を究めようとしている。然し一方古来の東洋哲学宗教では明白に与えられている先天を結合させることによって実相を純粋に生み出す方法が明らかであって、その方法を弁えた人物を仏陀と云い、社会に於けるその実相の完全な運転経綸者の名を救世主(キリスト)と云い転輪聖王(てんりんじょうおう)と呼んでいる。以上の科学と哲学との間の歴史的な相互関係に就いてよくよく考えなければならぬ時である。

2024年4月
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