言霊百神│布斗麻邇の所在①

以上は布斗麻邇に関する一応の概念的な説明であるが、然らばこの布斗麻邇は宇宙の何処に存在し、何処から発現し、何処で活動しているものであるか、これに就いて哲学的宗教的な実践行道の上からその存在箇所を明らかにしたならば、今まで説いた先天の発現と活動の意義が一層はっきりと浮き上がって来るだろう。
「大祓祝詞(おおはらひのりと)」に「下津磐根に宮柱太敷く立て」とある。この下津磐根が布斗麻邇の存在と活動の場所である。この形而上の場所は宗教的実践の上からは「下座」と云う名で呼ばれている。下座とは形而下的にはこの社会のどん底の下部構造と云う意味にもなる。『法華経』「従地涌出品第十五」にその涌出の菩薩達の住所を「娑婆世界の下、此の界の虚空の中に在って住せしなり。」と説かれているが、此の世界の下の虚空と云うことを社会の下部構造の意味と考えてもよかろう。それは既成社会の上部構造を形成する地位や財産や学識や名誉などとは関係のない、それ等から懸絶離脱した地位が行道上の下座である。

2024年4月
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