言霊百神│島生み①

淤能碁呂島とは己れの心の締まり、締めくくり、すなわち心の自己表現のことであって、島の正体は心である事を説いた。ここで岐美二神は先天を父母音として分け持って後天である子音を創造するのだが、その子音を産む前に、生まれ出る音を整理して収容するため宇宙の中に於ける言霊の位置する境域を定めた。この時併せて先天である天津神諸の命の諸音、諸要素の座も同時に明らかにした。
すなわち此処で云う島とは神であり命である言霊が位置する宝座は曼荼羅のような絵画としての平面的なものではなくて、その言霊の位置と云っても、その中には時間と空間と次元と云う三つの意義が含まれている立体的なものであって、その階段は宇宙から幽顕両般の人間の霊性が次々に顕現し完成される順序を示すものである。但しこの島生みの島は言霊を生んで納める産屋であり、例えばキリストが産み落とされる「馬槽(うまぶね)」に当るものであるから、島は御子(みこ)である百神の中には数えられない。島の意義はその上に納められる生み付けられる後述の言霊子音とそれを整理する原理の意義が明らかになれば、おのずからに理解できることであるから、ここでは先ず一通りあらましの説明に止めて置く。本講を最後まで読み終わったら、もう一度この「島生み」のところを読み返して頂きたい。

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