言霊百神│種智③

男女の恋愛をプロトプラズミック・ハンガーと呼んだ人があったが、この事は精しくは原形質の中身である核の染色体、特に性染色体同士の意欲であって、その染色体の心が慕情である。恋愛ばかりがそうであるのではない。すべての人間の生命活動の一面は種智の活動であると共に一面は細胞核の染色体の活動である。肉体のない心はなく、心のない肉体はない。死者にはも早や心の活動はない。また心だけが肉体と没交渉に消滅し得るものではない。肉体のない霊魂思念だけがフラフラと浮遊している如く考えるのは視霊者の妄想に過ぎない。
霊魂が不滅であると云うことは肉体の不滅であると云うことである。祖先から子孫への連鎖を通じて肉体が不死不滅であるからである。霊肉は生命の表裏であって、不可分の一者であるが、これを知性を以て判断理解して行く場合は、何処までも例は霊、肉は肉、表は表、裏は裏であって混同することがない。精神と肉体の夫々の活動を石土と石巣として持ち分けて、区別して釈いて行くことが究極に於て科学と宗教とを一致せしめる上の正しい道である。これを神道の上から云うなら石土の系統は精神すなわち伊邪那岐の系統、石巣の系統は肉体すなわち伊邪那美の系統である。