言霊百神│種智⑬

野神(ののかみ)、
鹿屋野比売神(かやのひめのかみ)、
またの名は野椎神(ぬつちのかみ)【言霊ヌ】
野は音波の高低強弱の変化の山波が終わった所。鹿屋野の鹿と云うことは五十音図に似た形の真男鹿の斑紋を暗示している。積み重なった音波の山が平らになって、それが何処で終わるかと云うと耳許(みみもと)であって、その空中の音波が耳をたたくから槌(野椎)である。またその敲く力は天沼矛の八父韻の横の変化であるからヌ(野、貫、横)である。

以上のフモハヌの四言霊は人体を離れた大気中の音波の状態であり、外界に関することであるから風木山野などと云う自然現象が象徴に用いられる。言霊は身体を離れて大気中を行く間も生命が失われるわけではない。アンテナを離れた電波の中に放送者の生命が流れ行く。それを受ける受信器である生きた人間の五体、五感、五智によって受信されると生命が再び蘇える。人間の個体の存在場所は肉体に占める空間によって限局されているわけではない。肉体の範囲に限局されている性能は感覚(ウ)だけであって、その他の四つの知性(アオエイ)はその表現である言霊が到達し得る範囲がその生命の活動舞台、生活範囲であって、そして自我全体が存在している究極の領域は全宇宙である。