「タトヨツテヤユヱケメ、クムスルソセホヘ、フモハヌラサロレノネカマナコ」と云う一連の真言陀羅尼は岐美二神の子(子音)である実相が生まれる順序である。然もその順序を示す此の三十二音は同時にその順序を以て生まれ出るそれぞれの真言そのものである。すなわち生まれ出たものによって来る順序を示しているのである。この二重の表現は一見まことに奇異に感じられるが、布斗麻邇とはこの様に自在で便利なものである。
これと同じようなものに「いろは歌」がある。これは諸法実相の仏教の原理に到達する魂の修行の過程、神道の所謂鎮魂帰神の道程を示すものであるが、それと同時にこの歌を構成している四十八音は、その空相の中から顕れて来るその実相の自覚である知慧(麻邇)そのものである。すなわち「いろは歌」は麻邇以前に帰る道を麻邇自体を以て現わしたものであって、これを母(はは)と云うのは知慧の母体である麻邇であるからである。仏教ではkのいろは四十八文字が三世諸仏の共通の母である摩耶夫人であり、キリスト教では聖母マリアである。聖母(聖処女)とは救世主キリストの愛と知慧を生む清浄無垢な四十八の文字(女)と云うことである。神道に帰った時初めて仏教、キリストの教義の謎が釈(と)ける。
言霊百神│しめ縄⑧
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